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たかつき散歩⑤:川のせせらぎが聴こえる「川久保」から「本山寺」へ。プチハイキングをしてきました。

新年あけましておめでとうございます。

昨年6月、高槻の見どころ(とその周辺)を実際に歩いてレポートしようと始めた「たかつき散歩」は、不定期更新でお届けしてきましたが、今年ものんびりと続けてまいります。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

新年第一弾は、「散歩」の気分で向かったものの、実際に歩いてみたら「これは、ハイキングだ…」となってしまったレポート。ちょっぴりハードな散歩(番外編⁈)として、高槻北東部の「川久保」から古刹「本山寺(ほんざんじ)」まで歩いたからこそわかった、“あれやこれや”をご紹介します。

Google Mapより作成。濃い青色が歩いたコースです

上の地図のピン(A)が、JR高槻駅、阪急高槻市駅から市バスで向かった終着点「川久保」バス停。

川久保エリアは、スギやヒノキの人工林、シイ、コナラなどの自然林が広がっており、バス停の横には、ここ高槻から島本町へと流れる水無瀬川が流れています。

筆者も地図を見て川があることは知ってはいたのですが、川久保に来るのはこの日が初めて。実際にバスを降りてすぐに、森林ならではの澄んだ空気、川の流れる音、遠くで鳴く鳥の声に思わず「森にやってきた!」という気持ちになりました。

ところで、川久保一帯は「水源涵養林(すいげんかんようりん)」として名高く、その豊かな自然環境は、国内でも有数で、1995年(平成7年)には、林野庁の「水源の森百選」にも選定されています。水源涵養林というのは、雨水を吸収して土壌に貯え、ゆっくりと川に供給することで、水源を保ち、洪水を防ぎ、水を浄化する森林のこと。私たちの生活、特に農業用水や工業用水など、水に関して重要な役割を果たしています。

川久保の心地いい森の空気に、集落をひと歩きしたい気持ちにもなりましたが、今回の目的地は本山寺。筆者がそそくさと確認したのが、バス停のすぐ横にある本山寺の鳥居。(バスはこの鳥居をくぐって停留所に停まります。筆者はバスに乗っていたので中から見たのですが、バスが鳥居をくぐる光景は結構珍しいようです!)

本山寺は、山の中腹にあるため(標高約520メートル)、お寺へはさまざまなルートで登れるようですが、川久保はすでに標高300メートル弱くらいに位置していて、この鳥居からのルートが塗装されていて歩きやすいと聞いたので、今回はここから本山寺をめざします。

ちなみに、鳥居の下には「左 北山 本山寺道」「是ヨリ二十丁」と書かれた丁石(ちょうせき)がありました。横にある解説板によれば、丁石は一丁(約109メートル)ごとに建てられた道しるべ。この丁石(二十丁石)は、1914年(大正3年)に立てられたもので、本山寺の勧請掛(かんじょうがけ)※に一丁石があるとのこと。

つまり、ここから約2キロ先に本山寺があるいうわけです。筆者は多少の下調べをしたものの、行ってみないと距離もわからない…という状態で来ていたのですが、距離がわかったこともあり、「いざ本山寺へ」と歩き出しました。

※勧請とは「神仏の来臨を請い、祈願する儀式」という意味。高槻の山岳寺院(北摂三山寺)の本山寺、神峯山寺(かぶさんじ)、安岡寺(あんこうじ)のいずれでも勧請掛が見られます。12本のしめ縄を掛け、神仏の来臨を願う儀式でありつつも、かつては農作物の豊凶、物価の高低などを占ったといわれます。(仏教の教えと庶民の生活が結びついた風習だそうです。)

歩きはじめてすぐに、林の中へ。上り坂が続きますが、まだまだ体力もあって森林浴気分。気持ちよく前へ前へと突き進んでいると、突然、開けた谷間が現れました。

写真には、白い筒のようなものがたくさん見えますが、これはすべて、苗木がひとつひとつ網で囲われたもの。筆者はどんなふうに苗木から育てているのか見たことがなかったこともあり、とても不思議な風景に感じられました。

少々余談ですが、高槻の林業やこのエリアに詳しい人に話を聞いたところ、この谷間の植林は、もともと予定していた植林ではなく、2018年の台風21号による風倒木の処理の後に、植林したものとのこと。筆者はこれを聞いて、谷間を吹き抜ける風がいかに強いものか…と驚くと同時に、数年後、どのくらい成長しているのかあらためて見に行きたいな…とも思いました。

道中では、遠方に高槻市街地が見えます。(写真はズームアップしたもの)

鳥居から20分ほど歩くと分岐点に到着します。筆者が登ってきたのは右奥からの道。写真左下からの伸びる登り坂を上がれば本山寺です。

ちなみに、この道は「東海自然歩道」という名前があるのですが、東海自然歩道は、東京都八王子市の「明治の森高尾国定公園」から大阪府箕面市の「明治の森箕面国定公園」を結ぶ日本初の長距離自然歩道で、全長はなんと1,748キロメートル。11都道府県60市町村にまたがっているとのこと。山道を中心に歩くようで、自然と文化財(国立公園、史跡、旧街道など)を連続して体験できる、現代の東海道五十三次とも呼ばれているそうです。ハイキング愛好者には有名なようですが、筆者には「え!? こんな長い自然歩道があるの?」と、道中にあった説明看板を読んで驚きました。

ここからは、十、九、八…と丁石を発見しながら、ひたすらに登っていきます。

八丁石手前には、本山寺の洗心門、駐車場があります。

「あと、もう少し…」とさらに歩みを進めたのですが、ここからはこれまで以上に急な坂が続きます。12月で紅葉もほとんど終わりかけ…という寒さも感じる日でしたが、汗が出てくるほど。

そして、頑張って登ること、約20分。とうとう本山寺に到着しました。

上写真の門には、縄が掛かっているのが見えると思いますが、これが出発地点の鳥居のときにご紹介した勧請掛(かんじょうがけ)です。(筆者が訪ねたのは12月上旬。説明板を読むと、毎年12月25日頃に勧請掛の奉祭が行われるようなので、現在は、新しいものが掛かっていることでしょう。)

境内の中にある階段を登り切った場所に佇むのが本山寺の本堂です。

本山寺は、修験道の開祖とされる役小角(えんのおづぬ)が開山(かいさん)、770年頃に桓武天皇の兄で光仁(こうにん)天皇の子、開成(かいじょう)皇子が創建したと伝えられています。

高槻には、役小角、開成皇子ゆかりの寺院が複数あり、本山寺と関わりが深いのが、摂津峡にほど近い安岡寺(あんこうじ)と、本山寺への登山道中にある神峯山寺(かぶさんじ)です。本山寺の山号は「北山」、安岡寺は「南山」、神峯山寺は「根本山」と称されていることもその関係性が表れています。
※開山は、寺院を創始することを指す仏教用語。開山堂は、仏教寺院において開山の像を祀った堂のことをいいます。

本山寺の本尊(ほんぞん)は毘沙門天(びしゃもんてん)。平安時代後期作の木造毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)は国の重要文化財に指定、ふだんは見ることができないのですが、毎年、5月第2日曜、11月第2日曜の年に2回、御開帳が行われています。(他にも、蛇神とも呼ばれる独特の見た目の宇賀神(うがじん)など、希少な文化財が安置されおり、御開帳時に見られます。)

また、新春の1月3日には、無病息災、家内安全、商売繁盛を祈願する「大護摩供(おおごまく)」「火渡り神事」が行われており、市内外より大勢の方が参拝に訪れます。

ほら貝の音が山々に響き渡るなか、護摩が焚かれ、白装束に頭襟(ときん)、錫杖(しゃくじょう)姿の修験者たちによって執り行われる儀式は、山岳仏教独特の雰囲気があり、参拝者は心静かに祈る機会となることでしょう。ご興味のある方はぜひご参加ください。

午後3時過ぎに川久保バス停を出発し、時々写真を撮りながら本山寺に着いたのが、午後4時半前。想像していたよりもハードな「散歩」になりましたが、夕日を見ながら、達成感を感じた、いい一日になりました。

「川久保」(バス停)までのアクセス

JR高槻駅南口 番乗り場、または、阪急高槻市駅 6番乗り場
33系統「川久保」行き(乗車時間:約30分)
※時刻表(JR高槻駅南口阪急高槻市駅)をご確認ください。

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