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朝に咲き夜に散る「沙羅双樹(夏椿)」が見られる「普門寺」をご紹介します。

みなさんは、沙羅双樹(さらそうじゅ)の花をご覧になったことはありますか?
沙羅双樹といえば、有名な平家物語の冒頭、

祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理(ことわり)をあらはす。

を思い浮かべる方も多いかと思いますが、ここで盛者必衰のたとえとして表現されているように、沙羅双樹は、朝に咲き、夕方(夜)に散っていく、はかなさを感じさせる花でもあります。(そのため「一日花」とも呼ばれているそうです。)

全国でも見られる場所は少なく、6月の梅雨の時季に咲くために、天候に恵まれなければ、花が咲く期間も短く、目にすることも貴重な花なのですが、なんと高槻ではこの花が見られます。そのスポットこそ、今回ご紹介する富田(とんだ)町にある「普門寺(ふもんじ)」です。(見頃は一週間ぐらいです。)

枯山水の庭の脇に咲く沙羅双樹。お釈迦様が亡くなられたときに生えていたとされることから、寺院にゆかりのある花です。しかし厳密にいえば、インドの「沙羅双樹」とは異なり、日本で見られる沙羅双樹は「夏椿」という品種なのだそう。ただ、沙羅双樹は日本の気候では育ちにくいため、古来、寺院では沙羅双樹の代用として夏椿を育て植えてきた歴史があり、夏椿を沙羅双樹と呼んでいるそうです。

今年の沙羅双樹はすでに終わりを迎えてしまいましたが、開花しているところをご覧になりたい方は、ぜひ来年にでも梅雨の時季(6月上旬~中旬)を目安に普門寺を訪ねていただけたらと思います。
※事前予約制/お電話で問い合わせると開花情報を教えていただけます。

ちなみに、普門寺の魅力はこれだけにとどまりません。実は、高槻の寺院では唯一、国の重要文化財指定を受けているお寺であり、沙羅双樹が咲いている時季でなくても、訪れる価値をじゅうぶんに感じていただけるスポットです。

国の重要文化財指定を受けているのは、上写真の右側に写っている建物・方丈(ほうじょう)。そして、江戸時代につくられたと見られる枯山水庭(かれさんすいてい)の遺構(下写真)は、国の名勝(史跡名勝天然記念物)に指定されています。

この庭は、大名茶人として活躍し造園の世界でも名を馳せた小堀遠州(こぼりえんしゅう)に学んだという僧・玉淵(ぎょくえん)が造ったといわれており、かの桂離宮の松琴亭の前にある「天の橋立」を造る前につくられたと考えられています。(このような経緯から、玉淵は桂離宮の造園にも携わったのではないかとも伝えられています。)

今は住宅街の中にある静かなお寺ですが、かつては室町幕府の要職である摂津管領・細川晴元が居城とし、14代将軍・足利義栄も幕府を構え、二重の堀に囲まれて「普門寺城」とも呼ばれていました。

現在、普門寺は慈雲山と号して臨済宗妙心寺派に属し、釈迦如来と十一面千手観音を本尊としています。明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)、戦後の農地解放などで一時は荒廃したのですが、前住職が見事にたてなおし、貴重なものを見られるお寺となっていますので、ご興味を持ってくださった方には、ぜひお訪ねいただけると嬉しいです。

普門寺(ふもんじ)

住所:高槻市富田町4-10-10
TEL:072-694-2093
拝観時間:13:30〜16:00(予約制)
拝観料:500円
アクセス:阪急富田駅から徒歩約15分、JR富田駅から徒歩約20分

Instagram:https://www.instagram.com/ziunzan_fmonji/
※普門寺の庭に咲く花を中心に写真を投稿されるInstagram。
※普門寺では、毎年2/3は毘沙門天のご開帳、7/18は室町時代につくられた本尊のご開帳のほか、供養や祈祷は随時行っていますので、詳しくは直接お問い合わせください。

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